僕はこの言葉が大好きである。
なんていい言葉なんだろう。
前に喫茶店でナポリタンをいただいた。ハンバーグを載せるような鉄板で出てきたナポリタン。
手際のよい無口そうなマスターがお会計時に、
「お腹いっぱいなりましたか?」って、ニコッとする。
好きになるやん。もう。
無論、めちゃめちゃ美味しかった。美味しいからガツガツ食べてしまっていたかもしれない。
若いから量が足りたかな?という親心だろうか。
そして、先日行ったお好み焼き屋さん。
大将は男も惚れる系の爽やかだけど野生味もある感じ。
奥さんらしき?店員さんからも「お腹いっぱいなりましたか?」
(あかん、ここも好きになるやつや!)
ちょっと痺れた。ビールでフワフワ完全に油断していた。
もちろんお腹いっぱいだし、美味しかった。また来たいお店リストに追加された。
フワフワが戻ってきて帰り道、とぼとぼ歩きながら考える。
「美味しかったですか?」は、ストレート。まぁお店で聞かれることはないか。
「お口に合いましたか?」は、「はい」か「Yes」しかない質問だ。
お腹がいっぱいになるって、大人になるにつれて少し、遠ざかる言葉な気がする。
あまり量を食べられなくなるし、酒を飲むと全然食べなくなるし。
そんな時にふと、「お腹いっぱいになりましたか?」は、ビールでいっぱいの頭をスコーんと撃ち抜く破壊力がある。
だけどそのあと、じんわりあたたかい、地元のような下町のような人間臭い心地よさに、おでんの大根になった気分である。しみしみ
僕も言いたい。「お腹いっぱいなりましたか?」って。
広めたい。お腹いっぱいなりましたか?ムーブメントを